第20章 宝物
「ローってスゴいこと考えてるんだね」
「だろ?」
「やっぱりキャプテンはスゲェんだ」
アルコにそう言われて、シャチとベポはどこか誇らしげだ。
きっと七武海になったことはローにとって通過点に過ぎない。
海賊の高みの先には
『四皇』『海賊王』『ワンピース』────
ルフィと目指すものは、同じ。やり方が違うだけ。その二人の道すじは、どこかで交わっていくような気がした。
「頼もしいね。わくわくする」
「キャプテンは強いけど、ひとりじゃできないことも、きっとある」
「七武海ともなれば、なおさら動きにくくなることもあるだろ。だからおれ達が駒(こま)になるんだ」
そっか。
みんな本当に頼もしいな。
私も、早くローのために全力で闘えるようになりたい。
そのためにも、珀鉛病の治療をとっとと終わらせたいな。もっとパッパッといかないもんか。いや、パッパッとした治療に耐えられない、自分の体質が悪いのか。
「っっ!!、ちょっと、やめて。離しなさい」
通りの向こうで女性の声があがった。
図体のデカくて人相の悪い男と、きれいで賢そうな女性がジュラルミンケースのようなものを引っ張りあっている。メタリックピンクのケースが、二人の間をいったり来たりと揺れていた。
「オイ、女!!? 離せっ」
「やめてっ!! 誰か………っ!」
「そこにいろよ」
ローから四皇の話を聞いて、多分に漏れずシャチも血が騒いだのだろう。シャッキーの店で、暴れるタイミングを逃してしまった彼は、トラブルめがけて駆け出して行った。
追いかけようとするアルコの腕を、ベポはとらえる。
「シャチなら大丈夫だよ。おれ達はココにいよう」
そのために自分はココにいるのだ。アルコをトラブルに巻き込ませない、ケガをさせない。
そうでしょ、キャプテン。