第19章 察知
ローがそう思った次の瞬間、アルコがガバリと覆い被さり、柔らかい唇を合わせてくる。
吸い付くような、誘い出すような急に始まった大人のキス。
濡れた舌がローの唇をなぞる。その行為で火をつけられたように、今度はローが覆い被さり返す。
「んっ………」
舌の裏側の滑らかで血管のでこぼこしたところをお互いで取り合うように舌を這わせる。じゅわり、と唾液が溢れ、隙間なく差し込まれた舌が くちゅくちゅと音を立て始める。
水音の合間に荒い吐息
絡め合い、差し入れては擦れる舌が、セックスの度重なる挿入を連想させ、ローの分身に固さと熱を与えた。
「ん………、ふっ。………ふふっ。ゴメン」
唇を離したアルコは、唇の端からチロリと舌を出して見せた後、ローの首あたりに丸まって笑みをこぼす。固くなったローの身体の一部がアルコの太ももで存在感を示した。
「コレ、かわいそうだね。楽にする? 手伝おうか」
自分から煽るようなキスをしたことを反省し、あんなに嫌だった『性処理』を、冗談めかして自分から申し出た。
「………………………………………
………………………………………いや」
ローは目を閉じて、ものすごい葛藤の末、その提案を拒否した。
ローは、彼女がようやく彼女らしいことを言い出したのが嬉しかった。
アルコは、彼の拒否が『優しさ』からきているものだとわかり、嬉しかった。
「………………覚えてろよ」
脅しのような恨み言を呟き、背を向ける。