第19章 察知
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その日の夜
アルコは酒を飲むのをやめ、シャワー室から処置室へ直行した。
ベポにも悪いし、シャチとペンギンに会うのも気まずいし、何より酒に逃げてる自分が嫌になった。
『心と力を、コントロールしろ』
ミホークの言葉を思い出す。
いくらベポが優しいからって、心を許してるからって、あんな風に泣いてしまうなんて、心をコントロールできていない証拠だ。
アルコは寝る支度を終わらせ、ベッドの上で竪琴を構えた。
ホーンは開いていないので、艦内には聞こえない。
あんな風に泣いてしまった原因は、自分でもちゃんとわかってる ────
『ヤりてェんだよ、わかるだろ』
あの時に、圧し殺した感情と涙。
それをきちんと、処理してコントロールできていないからだ。
あきらめるのか、認めるのか。
いずれにせよ、きちんと処理しておかないと。
今はこの潜水艦が
自分の家で
自分の居場所で
自分のホームなんだから
“ココで”今
“自分で”ちゃんと
処理しないと
アルコは演奏を始めた。
悲しくて
みじめで
泣きたい気持ちを
表現するように
吐き出すように
ぶくぶく ぶくぶく
深く沈む この感じ
あぁ、久しぶり
気持ちいい
青から藍へ
ぶくぶく ぶくぶく────
*