第19章 察知
「貧血が出てる」
検査から数時間後、血液検査の結果を持ったローが処置室にやって来た。
『医者』として
アルコはベッドに腰掛けたまま、足をぶらぶらさせて背中を丸め小さくなっている。
「……だろうね」
「わかってたのか。ケガはダメだと言ったハズだ。いつ、どこを出血した」
「………………」
「ハァ~………、みせろ」
「いや、無理でしょ」
「なんでだ」
「………………」
「………」
気まずい空気が二人を包む。
ベポめ。『主治医』にちゃんと伝えてくれなかったのか。
まあ、しょうがない。
ベポは今、すごく忙しいのだ。
「………………………生理だよ」
「……」
ローは 貧血についてはそれ以上何も言わず、腰を出せと言った。うつぶせに横になると、服をそっとめくられ、能力を使って何やらしている気配がした。
アルコは、触れられる手つきに反応しないように、目を閉じて無表情を作った。しかしそうすればするほど、神経が研ぎ澄まされて触れられている部分に意識が集中した。
「借りるぞ」
腰の患部の一部をサイコロのような形と大きさで抜き取られ、持っていかれた。
身体の一部を“貸す”なんて経験がないので「どうぞ」と言う他なかった。