第19章 察知
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潜水艦内
リビング
いつもの風景。
夜になると誰ともなくリビングに集まり、好きずきに酒を飲む。
今夜はシャチとペンギン。
ローは少し離れたところで新聞を読みながらウィスキーを飲んでいた。
そこへ、シャワーを終えたらしいアルコがリビングに立ち寄る。グラスを取ってきて「いただきまーす」とシャチに差し出し、混じって飲み始める。
そんないつもの風景。
アルコはローに背を向けるように、サンダルを脱いで椅子の上に膝を立てて座った。
ローはその様子に気配だけ向けている。アルコはペンギンとシャチのくだらない話を聞きながら、風呂上がりの髪を後ろ手でまとめあげ、ぐるぐるとねじった。テーブルの上にあったペンを髪の中に差しこみ、さらにねじって器用にまとめた。
少し濡れた髪から飛び出しているペンの背についたクマの頭を見ながら、ローは思う。
髪を乾かしきっていない、雑さ。
ペン1本で髪をまとめあげられる、女らしさ。
そもそも、髪をペンでまとめるという、雑さ。
(何なんだ、コイツは)
現れた素肌のうなじを見ながら、いつものようにチリチリと心が乱される。