第19章 察知
ローはこの気まずい状況を作り出したのが自分の一言によるものだということは、十分に理解していた。
『ヤりてェんだよ、わかるだろ』
苛立ちに任せて言い放ってしまったその一言。
苛立ちの原因は戦闘直後という状況が起こした異常な高ぶりと、アルコと二人きりで楽しそうに話をしていたクルーへの嫉妬。
アルコは一瞬だが、あからさまに傷ついたような顔をしていた。
その後、時間も置いたし、デルタ島での天竜人の一件もあり、普通に会話するようにはなった。クルー達からみれば、自分達の関係にとくに変化は感じられない程度には回復しただろう。
しかし、積極的に身体を求めあうような もとの関係には戻れていない。
どうすれば、戻れるのか
どう言えば、許されるのか
「ヤりたいと言って、悪かった。
だから、ヤらせてくれ」
何を言っても、結局このような内容になりそうで、逆効果な気がした。
ローは混乱していた。
なぜ戻りたいのか
なぜ許されたいのか
なぜヤりたいのか
『それ』を言葉にすればいいのに、その事に気づかないほどに。