第18章 それぞれの治療
アルコはローのグラスにウィスキーを注いでから、ジャンバールにも飲むように瓶の口を差し出した。
ジャンバールはグラスを一気に空けて、アルコに差し出したまま、テーブルに額をつけた。
「すまない………ありがとう」
3人……いや2人と1匹は薄い笑顔で目配せし合った。
「しょーがないから、おれが許してやるよ」
ベポが訳のわからない先輩風を吹かしている。
「大丈夫だよ。それに、病気持ち女ってわかったら、どうせ捨てられるって」
アルコは久しぶりの酒でもう酔っているのだろうか。あっはっは、と笑っているが、その冗談には誰も笑わない。
アルコの空笑いが響いた時、突如店の入り口の丸い真鍮製のドアノブがガチャガチャと音を立てた。
「?!」
「あれ閉まってる?
すいませーん、先ほどは失礼いたしました!」
そう言い終わる前にバキッと音がして扉が開いた。
壊した金色のドアノブを握ったまま立っていたのは、先ほど天竜人を連れて行った海兵だった。
「すみません! コレ………壊してしまいました!」
無駄に爽やかな雰囲気の海兵は店主に謝罪し、弁償方法を相談している。
(アイツは………)
ローはその海兵に見覚えがあった。
1ヶ月ほど前、ローが首謀して起こしたロッキーポート事件と呼ばれる出来事で、ローはその男と関わっていた。
「はっ! 先ほどの妖精さん!!」
「ふふっ。妖精……に見えますか? 先ほどは、ありがとうございました」
「絡むな」
海兵に礼を言うアルコに対し、ローは顔を向けずに阻んだ。
「お前は………!!」
(トラファルガー・ロー………!?
なるほど、あの能力で………!)