第18章 それぞれの治療
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海軍の青年が天竜人を連れ立って去っていくのを待って、ローは店に入った。
「おい、金を払う。今すぐ店を閉めて貸し切りにしろ。食事をしたい」
そう言って、札束をぽんとカウンターに置いた。その金はこの店の3ヶ月分の売り上げに匹敵するほどの大金で、交渉は即成立した。
客払いをした後で窓のカーテンを引き、閉店の札を下ろさせてから、アルコ達を店内に招き入れた。
今、天竜人と出会う確率が一番低い場所。
それは、つまりこの店だ。
船に帰るまでにアルコを見られては、それこそ取り返しのつかないことになるだろう。ローは、しばらくココでやり過ごすことにした。
「あんた達………!?いきなり消えて……
………一体どうやって………?!」
店主とその息子は驚いたが、人の良さそうな彼らは無事だったことを喜んでくれているようだった。
十分な酒と料理が振る舞われた。
店内にはオリーブオイルがにんにくを焦がす香りが広がり、アルコの顔からようやく笑顔がこぼれた。