第18章 それぞれの治療
ローはベポと二人で海軍の資料館と図書館へ行くようだ。ベポに欲しい海図の確認をさせている。
(私は留守番かな)
治療直後だし、歩き回って熱を出し迷惑かける訳にもいかない。落ち着いた表情でわいわいとした雰囲気のクルー達を見ていたが、ジャンバールがローに声をかけた。
「アルコは、上陸してもいいのか」
ローがベポとの会話をやめ、こちらを向く。
「そうだな、お前は…………」
「いいよ。大丈夫。大人しくしてる」
けろっとした笑顔を作るが、ベポとジャンバールはどこか心配そうな表情を浮かべている。
「よければ、自分が面倒みよう。歩かせないほうがいいなら、担いで行ける」
「ああ。そうしてくれ」
ローとジャンバールの間で、勝手にコトが決まった。ジャンバールの提案に驚いて見上げたその身体は、予想以上に大きかった。
「え、いいの?」
「構わない」
「ありがとう。 よろしく、ジャンバール!」
素直に嬉しそうな顔をするアルコに、ベポとジャンバールも安心したようだ。
そのタイミングで、船は岸に接岸した。ローは下船ざまにアルコの肩に、ぽんっと手を触れた。
「ありがとう、ロー」
ローは振り返らず、その手を軽くあげて船を降りていった。
触れられた肩がほんのりあたたかくなって、その感覚を保存するように自分で自分の肩を抱きしめた。
私は、『女』だから
自分の都合のいいことだけを信じられる
『都合のいい女』だから