第18章 それぞれの治療
航海中、ローは治療した胸の患部の具合を時々見に来てくれた。しかし必要以上の会話はなく、二人の間にはどこか気まずい空気が流れた。
『医者』と『患者』
それと『身体の関係』
それだけが、自分たちの繋がりなんだと思い知らされるようでアルコは少し切なくなった。
少し?
いや、だいぶ
わかってはいたけど
結構、ツラい
*
4日目の早朝
潜水艦は予定通り、デルタ島に入港しようとしている。
にぎやかな甲板。
ほとんどのクルーが甲板に出て、島を眺めたり歓声をあげたりしている。
「でけー島だな!」
アルコも今朝ローに患部を確認してもらい、安静を解かれたので そろりそろりと甲板に姿をみせた。
清潔そうで文化的な島。
小高い丘の上にはいくつかの大きな建物がみえる。ひときわ大きい窓のない灰色の建物が、資料館と呼ばれる施設のようだ。
ローはクルー達に「自由に上陸していいが、海軍の施設には近づくな、面倒は起こすな」と告げた。
ローが七武海へ加入したとは言え、そのクルー達全員が海軍の一兵卒にまで顔が利くとは言い難い。
それに海軍の中にも、海賊の存在や行為を認めるような王下 七武海の『制度自体に反対』しているものもいる。
海軍にも様々な『正義』があるのだ。