第18章 それぞれの治療
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3日ほどの航海で、潜水艦は目的地であるデルタ島という島に到着するらしい。
当初その島へは、いくつかの島のログをたどって行く予定だったのだが、先の海賊団との戦闘で、デルタ島への永久指針(エターナルポース)を手にいれていた。
ローは相手にこれを譲ることを迫り、それを条件に海賊団との衝突を最小限に抑えていたのだった。
デルタ島には、海軍の管轄する大型の資料館や図書館があるらしい。
七武海という立場になったからこそ、出入りできる施設。最近のローは、何か特定の情報を探し求めているようだ。
(これ、関係あるのかな)
アルコはベッドのテーブルの上にある新聞を手に取った。
“天夜叉”
ドンキホーテ・ドフラミンゴ
新世界にあるドレスローザという国を治める国王 兼 王下七武海。彼の活躍に関する記事が一面に大きく掲載されている。
先ほど、ローが不自然にこの新聞記事を裏返したことが気になっていた。
アルコはミホークの居城に“里帰り”した際に偶然出会った、ドフラミンゴという男のことを思い出す。
“いやらしい雰囲気”をまとった男。
アルコの印象はそのようなものだった。
性的な“いやらしさ”だけでなく、人の痛みや弱みを突いてきそうな“いやらしさ”。ミホークやローの“優しさ”とは対極に位置するようなものを感じとっていた。
しかし、新聞に載っているのは彼の国の繁栄とその敏腕さを讃えるような記事だ。自分の勘はあまりあてにならないのかもしれない。
ローがデルタ島で何の情報を求めているのか、クルー達は誰も知らないようだった。
ならば、自分も何も聞くまい。
きっと話したくなったら話してくれる。
彼の『恩人』の話がそうであったように。