第18章 それぞれの治療
「………………」
無言でバシャバシャと手を洗うローの背中を見つめる。
厳しい戦闘ではなかったのなら、もう少しどうだったか聞いてもいいかな。
どんな相手だったか、とか。
誰がどんな活躍をしたのか、とか。
何か手に入ったか、とか。
しかしその背中には不機嫌なオーラがみられ、アルコは話しかけることをためらっていた。
くるりと振り返ったローは、むすっとしたままタオルで手を拭い、ベッドに座っているアルコにすたすたと近寄る。
タオルをベッドのオーバーテーブルに置くついでに、そこに置いてあった新聞に一瞬目をとめ、何も言わずにその新聞を伏せるようにひっくり返した。
「?」
アルコが新聞に気をとられていたスキに、グッと顔を寄せてくる。
あ
知ってる
コレ
血の匂い
そう察知してしまったアルコは、怪訝な表情で身体を一瞬後ろに引いた。
その様子が、ローをさらに不機嫌にさせた。