第18章 それぞれの治療
「ずいぶん楽しそうだな」
ガラガラと乱暴にスライド扉が開き、ローとベポが処置室に入ってきた。
なごやかに話をしていた二人は、ベポの姿を見たとたんに笑顔が消える。
「あ、おかえ………………ッ!
ベポッ?! 大丈夫??」
アルコは、つい大きな声をあげる。ベポの腕には、痛々しく矢が刺さったままだった。
「大丈夫、大丈夫」
「座れ」
処置室内は沈黙に包まれ、ローが能力を使って傷を切開し、刺さった矢を取り出し始めた。
「戦闘、終わったんスか……? 食事、早めたほうが。おれ、もう行っても………?」
「ああ」
アルコの見張りを言いつけられていたクルーも慌てて持ち場に戻ろうとするが、アルコは その背中を呼び止める。
「ありがとう。おかげで楽しかった。またね」
「あ、いえ。ハイ! あの………どうもス。こちらこそ」
「…………」
「痛い! キャプテン、優しく~」
突如、乱暴に処置をしだすロー。
戦闘でお疲れなのか。
なんだか機嫌が悪そうだ。
「ベポ、大丈夫? 手強かったの? 相手」
「大したことなかったよ。ねぇ、キャプテン」
「ああ。ベポが優しすぎるのが悪ィ」
ベポのこの矢傷は、騙し打ちをくらったのか、誰かをかばったのか、そんな言い方だった。
ぐるぐると雑に包帯を巻いて、行け、とだけ言うと、ベポは少し心配そうな笑顔で礼を言って出ていった。