第18章 それぞれの治療
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珀鉛病の3回目の治療が終わった。
両胸の間にある握りこぶしくらいの大きさのハートの形の白いアザ。今までで一番広い面積の治療だったので、3日間は安静が言い渡された。
体内に点在する珀鉛を物理的に取り除くため、治療後の患部は、細かい穴が開けられているようなものだ。そのため、しばらくは針を指したようにずきずきと痛む。
今までよりも慎重な処置。
当然、前回みたいに直後にセックスを求められることは、なかった。
………直前には求められたが
安定した航海で安心しきっていたが、安定した海域には、安定して他の海賊も存在する。
海上で海賊同士のこぜり合いが勃発したが、部屋から出ないよう言われ、非戦闘員の見張りまでつけられてしまった。
「中からチラッとのぞくだけ。だめ?」
「だめッス」
「けち」
「キャプテンにバラされるよりは、けちの方がマシッスね」
「………バラされたこと、あるの?」
「……………まァ、2回ほど」
「ふふっ。聞かせてよ」
戦闘と聞いてかなり身体がウズウズするが、珀鉛病の治療をしたばかりで、今は安静にすることとケガをしないことが重要なようだ。『主治医』からは眼光鋭く何度も「絶対に、出てくるな」と言われた。
せっかくなので、普段あまり話す機会のないクルーと話ができることを楽しむことにした。自分の知らないローのことを教えてもらえるのも嬉しかった。
クルー達は皆 ひとりひとりに
それぞれの 乗船のきっかけがあって
それぞれの 目的や想いがある
当たり前だけど
それぞれの人生を乗せてる 潜水艦