第17章 合流
「ペンギンって意外と大胆なんだね」
部屋まで降りていく潜水艦の廊下で、アルコからローに声をかけた。
話題にしたのは、先ほどの『ロッキーポート事件』についての武勇伝の感想。事件はペンギンの大胆な行動が決め手になったという印象を受け、アルコはそれを口にした。
「アイツは……確かにそういうとこあるな」
「ふふっ」
アルコは処置室の四角い扉の前で立ち止まる。
ローは立ち止まらず、奥の船長室のカマボコ形の扉まで歩みを進める。
お互いの扉に手をかけたまま
「おやすみ」
「ああ」
アルコはスライド式の扉を開け、部屋に入る。
後ろ手で閉めた扉に背中を預けたまま、心の中で5秒数える。
5
4
3
2
1
カウントが終わって目を向けたのは、船長室と繋がる開け放された扉。
同じようにこちらを見ているローと目が合った瞬間、二人は同時にお互いに向かって走り出す。
扉の敷居の上で貪るように口づけを交わす二人。
荒い息づかいでキスを続けていると、柔らかい唇に誘われて、胸から切なさと息苦しさがこみ上げその感覚をかみしめる。
いや、もうひとつ、こみ上がってくるものが。
「……くせェ」
「ヒッドぃ! 自分が飲ませたんでしょ?!」
ローの胸を中指を飛び出させたグーで小突き、くるりと処置室の洗面所へ向かう。
ふてくされるように歯磨きをするアルコの背中に「くっくっくっ」という笑い声がかけられた。
わざと色気なく、勢いよくペッと吐いたり、ガシガシとタオルで拭いたりして振り返ると、すでにローはほとんど服を脱いで、アルコが使っている処置室のベッドに勝手にあがっていた。