第3章 金のために【シャボンディ諸島】
~~ 数時間前 ・その日の 午前中 ~~
オークションの支配人らしきMr.ディスコという男は、嘘くさい笑顔を張り付けたおっさんだった。
「ディスコさん、今日の芸人を連れてきました」
「ほー、君かね。よろしく頼むよ」
「よろしくお願いします」
ディスコと呼ばれたおっさんも、オーディションを担当していた男も、お面のような笑顔でアルコを見る。
「今日は、待ちに待った月に一度のヒューマンオークションだ! 君、旅の者かね? 今までにオークションを見たことは?」
「旅人です。初めて来ました」
「よろしい!!! では、隣の部屋で支度してくれ。衣装や装飾品は自由に使って構わない」
「わかりました」
「あー、それとアレを」
「?」
オーディション担当の男が、後ろからアルコの首に冷たい何かを置いた。
「君には高い金を払うんだ。仕事が終わるまでは『従業員用のソレ』をしてもらうよ」
なんだろう。
自分ではよく見えないが、金属製の何かだ。
「最近は能力者も多くて物騒だからね」
相変わらずお面のような笑顔を崩さず、支度室へと見送られる。