第16章 生命
「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」
衣服をかいくぐり、下着を押しのけ、秘部に到達する。ワレメをかき分け中指を挿し入れたその時 ────
スチュッ………
水音
自分の体内の、水の音
その音でブランケットをはぎ取り、がばりと飛び起きる。
そうだ。
水は雨ばかりではない。
生命も半分以上は水分。
淫らなことを考えていたことを恥じた。しかし、その恥は一瞬で消え去った。恥じる必要はないのかも知れない。淫らな行為が生み出すものこそが、生命。たどり着いたのは、淫猥な中にも存在する どこまでも美しい生命。
舌の側面
タトゥーの入った肢体
血を舐めとる舌
刀を握る隆起した筋肉
性的な行為の中にある美しいものが、一気に脳内で駆け巡った。バラバラに存在したそれらが一筋の大河として繋がり、アルコの心の中央に堂々と流れた。
ゾロの声が遠く響く。
本当に先ほどと同じ声か、と疑うほど野性的で美しい咆哮。
アルコは たぎりを抑えることができないまま、ただ規則正しい息をして、早朝6時になるのを待った。