第16章 生命
その日の夜中
アルコはベッドの中で弱い雨の音に集中し、音を聴き分けていた。
雑音………いや、雨の音に、何か遠くの音が混じっている。足音、身体がぶつかる音、剣があたる音、肉が斬れる音、ヒヒ達の悲鳴………
「うぁアァァ!!」
その声を聴いたアルコはブランケットかぶり、ぎゅっと目を閉じる。
ゾロが闘っている。
アルコは心を乱されるのを恐れて閉じこもるように丸くなった。
「はぁっ………はぁっ…………はぁっ………」
頭から追い出そうとすればするほど、うめくような、何かを欲するような声ばかりが粒だって聴こえる。
固く 丸く縮まった身体の、頭の先から足の先まで もれなく力を込めた。まるでキツく抱きしめられているようだ。それに気づいてしまったアルコは、物足りなさから自分の胸に手をあて、めちゃくちゃに揉みしだいた。
「あっ………………はぁっ」
形を変え、痛みを感じるほどに握り潰した。鎖骨付近の切り傷のしみるような痛みより、乳房を揉みしだくことで得られる歓びが勝り、止めることができない。
「ぬアァァァ!! ふんっ!」
「ヒッヒッヒィィ………」
遠くにあるはずのゾロとヒヒの闘っている声が、なぜだか耳もとで扇情的に響く。アルコはたまらず乳頭を思い切りつまみ上げ、その芯をこねた。
「んんぁ………………っっ!!」
抑えたつもりが、くぐもった声が喉から漏れる。その声を受け取った鼓膜は、ピタリと閉じた太ももに熱を送る。