第15章 in the rain
横に咥えた刀の後ろに二本の刀を背負うように構える。
「“虎………狩り”」
(力じゃ敵わない。受け流す……!!)
身体ごと飛んできた斬撃に対して、大剣の刀身を平行に構え、衝撃を滑らせる。
衝撃が柄の部分まで達した時、腕がズバッ! と音をたて、革のグローブの切れ端と血が吹き上がる。
(“覇気”で……!!?)
「うァアァ!!!」
咆哮とともに突っ込んでくるゾロ。手加減無用とばかりに力押しで次々と斬りつけてくる。
ギイィン! ガギギギ… キン! …ギンン!!
あわさる刃が大きな音と火花を散らす。
ずしゃり、と ぬかるみにアルコの かかとが重く食い込んだ。
キィン! ガキン! …ガツッ、ガン! ギィン!!
大きな刀身で一度に2、3撃受ける。
ほとんどの斬撃は威嚇。アルコに振りかぶるスキを与えないためのもので、ひとふりごとの威力は、重いが耐えられない程ではない。
(相変わらずの体力。でも、無限ではない)
打ち下ろされ続ける刀の重みが緩んだ数撃を見逃さず、アルコは宙に字を書くような動きで斬撃をまとめてとらえ、その動きのまま斜め下から払いあげるように斬りつけた。
「ぐっ………」
周囲の水をも切り裂く“覇気”をまとったアルコの斬撃がゾロの腕と肩をえぐる。
再び距離をとった二人
チャキ………
咥えた刀を外し、見せつけるように腕から流れた血を舐めとった。
ドクン ───────
アルコもそれを見て、欲情した。
目が離せない
かつて自分の口内を蹂躙した あの舌
アルコはアゴをあげて肩で息をした。
はぁっ………はぁっ………………はぁっ………
ドクン ……ドクン ───────
素肌の首
噛みつきたい
嬌声が聞きたい
ハッ…ハッ………ハァッ…ハァッ
降りしきる雨を無視して、二人の身体からは蒸気が立ちのぼる。
ドクン
ドクン ドクン
ドクン ドクン ドクン ───────