第15章 in the rain
ゾロは刀を二本抜いて横に構える。
アルコも横に振りかぶるように構える。
一瞬のにらみ合いの後、先に斬撃を放ったのはアルコのほうだった。ゾロは両手の刀を縦にして、ギイィィィィンという音を響かせながら斬撃を受け止める。
正面にアルコの姿はすでになく、水溜まりにしぶきが跳ねあがる。
右から飛んできた次の斬撃を、ゾロは身体を反らして避ける。
避けながら、右手の刀で足下に一太刀。それをジャンプでかわしたアルコは空中でバックスイングよろしく大きく後ろに振りかぶる。
(お前は身体のスピードは早いが、剣が重い)
アルコ振りかぶりの合間に一撃を。そのつもりで左手の刀を上から縦に降りおろす。
(そんなこと、わかってる)
アルコは振りかぶった剣をそのままに、足蹴りを飛ばす。
バキッッ!!
ゾロの身体は後ろに吹っ飛び、二人は再び距離をとった。
蹴りを放ったアルコの足は薄く斬れ、タラリと血がつたうが、すぐに雨によって薄まり、流された。
「二刀流………“閃” 」
ギギィィン!
『後攻』とでも言うように、アルコの最初の一撃に倣って横に平行な二本の斬撃を飛ばしてくる。
それを囮にゾロは今度は左側からアルコのふところまで距離を詰める。
速 ───────
「“登楼” 」
下から突き上げる斬撃。
ドヒュッッ!!!
「うっ…」
主軸はかわしたが、竜巻のような斬撃に巻き込まれる。同時に巻き上げられた雨水に少しは守られたが、あちこちが斬れたのだろう。『どこ』とはわからない痛みが身体中に走る。
その痛みに、アルコは微笑んだ。
熱いため息を吐き出し、身を震わせた。
ドクン ───────
ゾロはその表情を見て、情欲をもよおした。
行き場のないその欲をぶつけるかのように、3本目の刀を取り出し噛みしめる。