第15章 in the rain
雨がさらに激しくなる。
その轟音(ごうおん)で周りがシャットアウトされ、より内省的になってくる。
脱いでやろうか
いや、せめてグローブだけでもを外してやれ
グローブに手をかけたが、やはりその動きを止めた。
振り向かなくても、わかる。
その視線。その気配。
ザ ────────
「ずっと、いろよ」
ザ ────────
大雨の音でかき消されて聞こえないフリをすると、さらにハッキリとした声が届く。
「ここに……おれと、いろ」
「………………無理」
ザ ────────
到底聞こえないだろうという小さな声で返事をした。
「なんかわからねェけど。
お前が、何を抱えてるかも。
それも全部外して ────」
「やめて!!
…………………それ以上、踏み込まないで」
もうピークをとうに向かえていると思っていた雨の激しさが、さらに増す。
「こっちの都合も知らないで
勝手なこと、言わないで」
「知らねェな。
お前の都合なんか。
おれは自分の気持ちしかわからねェ」
「!!
………やめてよ。
それ以上、言わないで」
アルコは怖くなって振り返った。
彼もヒヒ達との戦闘の後なのだろう。
大雨にさらされていたのは、同じように泥と血と汗にまみれた身体。頭に巻かれた手拭いからのぞくのはアルコを鋭く見据える眼光。
アルコは覚悟を決めて、スラリと剣を抜いた。
「上等だ」