第14章 分岐
瓦礫だらけの島に近づいてきた。
船をつける簡易の桟橋に小型船が留まっているようだ。
アルコは、アカルイデ島に到着したタイミングで「数日後に一度クライガナ島に帰る」とミホークに連絡した。その際に言われた「客が来ているが、気にするな」というミホークの言葉を思い出す。
(そっか、誰か来てるって言ってた)
船には女がひとり乗っているようだった。船番か、それも彼女自身がミホークの言う『客』なのか。
ウェービーな黒髪が重そうに揺れている。アルコの船が近づく音に気づき、女はこちらを振り返った。
メイド服のかわいらしい女性
刀身を竪琴におさめ、背中に背負う。船をつけ、ロープを持ってぴょんと飛び降りる様子を、警戒するようにジロジロと視線を向けられた。
(おじさまのお客さん………? それか、おじさまが使用人を雇ったのかな………)
「こんにちは」
警戒されていることに気づいていないフリをして、挨拶をしてみる。
「若様に、何か用事?」
(わ、かさま??)
誰だよ。
おじさま、そんな呼び方させてるの?
『若』て。
「えと、ミホークに………」
その一言で、女は「あら、そう」と言って警戒を解いた。
とくにこちらに興味をしめさず、タバコをふかしているので、アルコは古城へと続く道に目を向ける。