第14章 分岐
「わぁ!」
ローに長刀の柄で小突かれたベポは、思わず大きな声をあげた。
「アルコのビブルカードだろ。振るな。落としたらどうすんだ」
「もぅ! キャプテンにどつかれたら、落とすかもよ!」
「落とすなよ。貸せ」
「ハイハイ。わかったよ」
ローはベポからビブルカードを受け取る。
あの夜、コテージで『相談がある』と言ったアルコ。その内容は“里帰りしたい”というものだった。
アルコがあの晩、バーで一緒に演奏したバンドは この島の住人ではなかった。彼らは1週間の滞在の後、商船で“アカルイデ島”に戻るという。アカルイデ島はミホークが居城にしている城があるクライガナ島からほど近い、アルコも よく知った島だという。
アルコは、以前ロー達クルー全員が不在の時に ひそかにミホークに連絡したことを明かしてきた。ミホークと別れ、旅を始めた時、そのまま二度と会えずに死ぬ覚悟を持っていた。しかしローに出会って状況が大きく変わり、どうしても連絡したかった、と。
『今回の七武海の強制招集が終わったら、しばらく城に滞在することにする。落ち着いたら一度立ち寄れ』
ローはアルコがミホークと連絡をとっていたことを知っていたが、何食わぬ顔でその報告を聞いた。
頂上戦争が終わり、麦わら屋の何やら奇妙な行動が新聞で報道され、アルコも安心したのだろう。珀鉛病の治療をしてもらえることはすでに報告したが、この機会にできれば一度会いに帰りたい、と。