第13章 表と裏
「いっこ、聞いていいか? 今さらだけど」
「………なんだ」
ペンギンに問いかけられても、ローはステージ上への鋭い視線を解かない。威圧感を漂わせたまま、ビールジョッキを傾けた。
「関係がどうあれ……
治療が終わったら『仲間』にすんだろ?」
ゆっくりと時間をかけてビールジョッキから離したローの口元は、つり上がっていた。
「ああ、そのつもりだ」
「だよなぁ。安心した。
それ聞けたら、別にどうなってもいっか。
ま、できれば仲良くやれよ」
「しかし………」
「?」
ローから逆接の言葉が飛んできたので、ペンギンはドキリとする。
「………マズいビールだな」
「ははっ。違いねェ」
ステージを見ていた二人の前を、これでもかというほど果物が刺さった、みるからに甘ったるそうな濁ったオレンジ色のカクテルを持つ女が通りすぎた。
「男二人でアレは無理だろ」
ローとペンギンは、久しぶりに少年時代のように笑い合った。