第13章 表と裏
「あれ、来てくれたんだ」
一番後ろにいたジャンバールの背中をポンッと叩いたのは、アルコだった。
いつもより派手めな化粧をして、エスニック柄のロングワンピースに、薄いグローブをつけ、揺れる装飾のついた透けた布をまとっている。
「何を やってる」
「バイト」
「キャバ嬢?」
「違うわ!」
ジャンバールとシャチに話していたアルコは、ローに向かってお願いするように両目を細めるが、その目線は少し伏せられ、二人の目は合わさることはない。
「聴いていってよ、けっこう練習したんだから」
「……その服、どうしたんだ」
「買った。ペンギンから借りたお金で。…稼いで、返すから」
ペンギンに向けて肩をすくめてわざとらしいウィンクが飛ばされた。
一行はワイワイとステージの近くの席へ行った。
アルコはクルー達に「売られそうになったら競り落としてよ」などと冗談を言っている。
ローはため息をついて、ステージから遠い後方の小さなテーブル席にひとり座る。
ペンギンは少し迷って、ローのいるテーブル席に座った。