第12章 a half one
アルコは、無表情で男を見上げる。
男の後ろでは、テーブルに座って酒を飲んでいる子分達が2人、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
「歯を立てたら、殴る」
「………………」
アルコは目の前のソレと男の顔を見比べるように視線を動かす。
汚いヤツのソレは、こんなにも汚いもんか。
「はやくしろ。やり方を知らねぇのか」
「処女かよ」「ありえねー」子分達のゲラゲラと下品な笑い声が響く。丸出しにした男のハァハァとした息づかいが滑稽だ。
「やり方を教えてやろうか」
「やり方は知ってるんだけど………小さすぎて、どこにあるのか ────っうっ!!」
ガツッッ!!!
男がアルコを殴った。
手錠をされたままの腕でガードしたが、その衝撃は身体が横に倒れるほどだった。
すでにアジトに潜入していた3人と1匹は、それを見ていた。
「あの女……アホなのか?」
キッドのツッコミを否定できないロー。
「ハァ~…………いくぞ」
「なんだ、てめぇら!!! 一体どこから……」
本物の海賊らしい、不敵な笑みを浮かべたロー達。ローとキッドは能力を発動するように構え、挑発するような言葉を口々に吐いている。
キラーは……顔はわからないが、きっと同じような表情だろう。
「早かったね」
次々と男達をなぎ倒していく3人と1匹の邪魔にならないよう、アルコは座ったまま ずりずりと端によけた。