第12章 a half one
「うわ~すごい。これがお前らが探してた鉱物?」
ベポは無邪気によろこび、二人に問う。
「あぁ…、いや、コレは…、どうだろうな」
「菌類だ」
まごつくキッドを無視して、ローは推論を述べる。
「おそらく鉱物じゃない。音に…特定の周波数の振動に反応する生命現象だ」
「へぇ~。どうりで。呼吸みたいだね」
そう言いながら、アルコの音が少なくなる。
片手だけで演奏しているのだろう。
「キッド」
沈黙を続けていたキラーが、とがめるようにキッドの名を呼んだ。
「わかってる」
「「「??」」」
そのやり取りは、先ほどの演奏によって全員を包んでいた ゆったりとした雰囲気を急変させた。キッドは、ロー達に何か言いたげだ。
え、殺るっての? まさか、ここで……
「待て! 何か ────」
キラーが今度は声をあげて制する。
何?
やれっつったり
やるなっつったり
─── いや、確かに何か……
ガバッ!!!
アルコは突然、何かに包まれ、身動きが取れなくなる。
「えっ?! 何?? 誰っ?!」
「こんなところに、女がいるとはな」
耳もとに聞き慣れない声が届く。
暗闇に誰かひそんでいたのか。
もがく衣擦れの音
「アルコ!!」
スラリ、キン、などと金属音がいくつか聞こえた。ローとキッド、キラーが武器を抜いたのか。しかし、それを制したのはアルコ自身だった。
「待って!!!
ちょ、うわ。あー、これって、ホラ。
ベポ、明かりを」
「無駄だ! 動くな! 女を殺すぞ」
何かを理解したアルコは、胸元に忍ばせていた愛用の石鹸を肌に こすりつける。
「きゃー。やめてー。わたしは、か弱いのよ」
アルコの棒読みのような言い方の助けが響く。
「なんなんだ?! おい、大丈夫か」
「ベポ、明かりをつけろ」