第12章 a half one
「アンキアライン??」
シャチがアゴを突き出した けんか腰の口調のまま、オウム返しをする。
「陸地に海水が入り込んでる場所だよ」
こう見えて“航海士”ベポがシャチに解説を入れた。
港にいるのは、キッドとキラー。
二人が言うには、島の裏に海底からつながるアンキアライン洞窟があり、汽水環境のそこには珍しい鉱物があるらしい。
鉱物は武器の素材にもなる。
そこへ潜水艦で連れて行って欲しい、という提案だ。
「なんで おれ達が、お前らを連れていかないといけないんだよー」
ベポもすごんでいるつもりだろうが、あまり迫力はない。
アルコはそんなベポの後ろにしがみついて、チラリと目だけで二人をのぞいていた。
「目的は なんだ」
感情のないような冷たい目つきで、港の2人を見下ろすロー。
「アアァ?! お前、話聞いてたのかよ! だから、鉱 ────」
「目的は、なんだ」
「……………」
一見それらしい提案だが、ローはいぶかしむ。
黙りこむキッドに代わり、返答したのはキラーだった。
「潜水艦だ」
「「「………?!」」」
一同は『コイツ何言っとんじゃ』という顔をするが、付け加えられた一言で、全員がまんざらでもないような顔になる。
「『男』だからな」
アルコは、特大の ため息をついた。
潜水艦に一度乗ってみたい
その理由は
『男』だから
アホか
『女』だって乗りたいわ
「………いいだろう。好きにしろ」
「いや、キャプテン! こいつら…」
反対するクルーがローを見るが、ローは何やら企んでいるような顔。
ひとまず『潰し合う』より『恩を売る』…といったところか
「妙なまねはするなよ。……アルコ、お前は…」
「いないよ」
ローが振り返ると、ベポの後ろに隠れていアルコの姿は、もう そこには なかった。
「部屋に戻ったんじゃない?」
甲板にあがってきたキッドは、それを聞いてばつが悪そうな顔をした。