第11章 プライド
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お互いの素性を明かし合わなくても、どちらからともなく ぽつぽつと話し、話題は尽きなかった。
この島のこと
美味いもののこと
男の悲しい性(サガ)のこと
世界のこと
(昨晩ヤッた女とは……だいぶ違うな)
キッドは昨晩 抱いた女を思い出していた。
港でこの女とトラファルガーを見かけた後、立ち寄った店で女を買った。
いつものような金髪で派手めな女ではなく、黒髪で大人しそうな女を選んだ。仲間からの揶揄をかわして、黒髪とコトに及んだ。黒髪は「金髪に申し訳ない」と謙遜なのか自慢なのかわからないようなことを言いながら、金のために腰を振った。
(それに、オークションの時より ずいぶん……)
キッドは横に座っている女をあらためて観察する。
短いシャツに革のロンググローブ。
ショートパンツにタイツ、足元はブーツ。
カジュアルなのか、上品なのか。
露出が低く、決して女らしい格好とは言えないが、タイトなシャツからは女が主張されている。
女らしいのか、らしくないのか。
長い黒髪に、ひたいが半分以上出ている短い前髪。
幼いのか、大人っぽいのか。
それらのアンバランスさが妙に際立ち、今まで知っているどの女にも当てはめることができなかった。
キッドは見たことのないタイプの女に興味を持ち、暴いてみたいという動物的な欲求を刺激された。