第7章 シンドリア
さあ……ここからどうするか。
みんなが賑やかに食事や会話を楽しむ中、ジャーファルは考えていた。
王からの命令には従わなくてはいけないため、私は紅奏姫に好意をもってもらえるように振る舞わなければならないわけですが……。
しかし紅奏姫は外交に積極的ではないのか、シンドリア勢の会話に入っていくわけでもない。
ただひたすらに取り分けられたパイナップルをひとかけら口に入れてはもぐもぐと食べ進んでいる。
ああ、そうか。煌帝国にはパイナップルは珍しいのかもしれない。
また1口食べたところで、ふと彼女の瞳がくしゃくしゃっと笑った。
おそらく誰も気づいたはいない。
ずっと彼女を見ていた自分のみが気づいたであろう笑みは、
幸福を噛み締めているよう。
果物くらいでここまで幸せな顔を出来る姫は珍しいよな。
「パイナップルはお口にあいましたか?」
あまりに美味しそうに食べているので声をかけてみたが、
どうやら失敗だったらしい。
彼女は我に返ったように食べるのを止めて笑みはなくなり、フォークを置いてしまった。
「よろしければいかがですか?」
ジャーファルなりの精一杯のプレゼント…という訳では無いが、
また食べれば青い髪の彼のように先程のように笑ってくれるのでは?と思ったが、これもまた失敗だったらしい。
女性は難しいですね……