第7章 シンドリア
とりあえず、社交辞令としてでも女性は服装や髪型を褒められれば喜ぶだろうと思い、早速行動に移す。
「服お似合いです。とてもかわいらしい。」
なんて心にも無いことを、精一杯優しい声で言ってみた。
皇女なら言われ慣れているだろうか。
「あ…ありがとうございます……。ジャーファルさんもその…素敵です。」
は?
貴族同士ならともかく、この人は今従者である私を褒めた?
思ってもいなかった返しに、作りこんでいた笑顔は崩れ、
思わず崩れた表情を袖で隠す。
本人は気づいていないだろうが、それは周囲から見ても分かるくらいに耳まで赤らんでいた。