第6章 七海の覇王
バザールを抜け、やっと顔を上げれると見上げると、正面には立派な城が立ち構えていた。
ぱっと開けたその場所は人が少なく、ようやくほっと息を吐けた。
「ここが、シンドバッド王の築いた王宮ですか……」
煌とは違う佇まいに、文化の差を感じる。
ジャーファルに案内されるままについて行き、立派な扉の前立つ。
ゆっくりと開く扉にさえ物怖じし、緊張してしまう。
「では、扉を開けますね。」
ジャーファルさんに言われ、緊張から唾を飲む。
しかし、
バァァン!
「紅奏姫!よかった!」
そう言って物凄い勢いで扉が開くと、シンドバッドが飛び出してきた。
「本当に申し訳ないことをした。姫の歩幅を気にせず歩いてしまうとは私としたことが。すぐにジャーファルに探させていたんだ。お怪我はありませんか?」
先程の冷たい雰囲気は嘘だったのかと思うほど全くちがうにこやかな笑顔に戸惑い思わず1歩下がる。
「えぇ…大丈夫です。女性を置いてけぼりにする殿方とは初めてお会いしましたが。」
「これは失礼いたしました。いや〜、ついついはしゃいでしまいまして。」
そう言ってその大きな手で両手を包まれ、キラキラとした笑顔を向けられる。
「改めまして。ようこそシンドリアへ、煌の姫君。此度の同盟により、双方がますます発展を遂げることを楽しみにしております。」
「はい…暫くの間お世話になります。シンドバッド王。」
2人が笑顔で語る中、ジャーファルだけはなんとも言えない表情で2人を見つめていた。