第4章 光さす
その夜、カナは与えられた自室で1人鏡台の前に腰掛け、鏡を覗き込んでいた。
あらためて見ると痩せこけた頬や傷んだ髪が、牢にいた時間を思わせる。
なんで私は再び牢から出されたんだろう。ハァっと息を漏らした時、扉を叩く音がした。
「紅奏、よろしいですか?」
扉を開けると、湯上りらしい紅明が立っていた。
「夜分にどうされましたか?」
「あの、紅奏に謝りたくて。」
「え?」
思わず声が出た。
謝る…?
「兄王様の指示とはいえ、黙って頷けなどとあなたに酷いことを言ってしまいました。申し訳ない。」
そう言って頭を下げられ、慌ててその動きを止める。
「おやめ下さい!私はそのように言っていただけただけで十分ですから。」
「本当ですか?!」
バッと顔を上げた紅明に両手を掴まれた。
その細い体からは想像できない強い力に驚いて呆気に取られた。
整った顔が近くにあり、息を飲む。
待って、私ッ!
「だめ!離してください!」
強い力で手を振り払った。
強く閉じた瞼を開けると、悲しそうな紅明の姿が見えて、
途端に今自分がしてしまった無礼に気づいた。