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君と見るセカイの色は【マギ】

第4章 光さす


「申し訳ございません」
俯いて詫びると、紅明がゆっくりと顔を覗き込んでくる。

「あなたは何にそこまで怯えているのですか?」

強く胸が打つ。
忘れられるわけが無い、幼い頃の記憶。
なぜ私があんなにも長い間冷たい扉で閉じ込められていたいたのか。

「私は……誰かに頼ったり、近づいてはいけないんです。」
ああ、声が震えてしまう

「私が頼った、私の近くにいた侍女たちはみんな死にました。
そして母も…私を産んですぐに死んだと聞いています。」

「ですが、そんなの偶然でしょう?あなたが全て背負う必要はないのではありませんか?」

涙が溢れた。
ずっと、誰かにそう言って欲しかったのかもしれない。
私のせいじゃない、本当はずっとそう思いたかった。


また紅明がゆっくりとカナの手を両手で包み込んだ。

「あなたのせいではありませんよ。ほら、こうして貴方に触れても、私は死んでないでしょう。」

「あぁ…あ…」
久しぶりに触れた人の温かさだった。
次々と流れる涙を止めさせることなく、紅明はうん、うんと話を聞いて、落ち着いた頃に部屋を出ていった。

不思議と胸が軽くなった気がする。
紅明様は信用してもいいのかもしれない、なんて考えながら布団に入った。







部屋から出ると、紅明はふらつきながら暗い廊下を進む。
行き着いた扉を開けると、そこには不敵に笑う紅炎がいた。

「面白い茶番が見れたな。どうだった。」

「確かにあれは…私にはかなりきついですね。」
そう話す紅明の顔は青ざめ、かなり息が切れていた。

「多少なりともこれで使いやすくはなるだろう。ご苦労だった。」

「これで全て上手くいくでしょうか…」

「長年人との関わりを絶たれていたからな。優しさや人との関わりに飢えているはずだ。必ず扱いやすいいい手札になる。」


ロウソクの火がゆらゆら揺れ、2人の影を確かに濃く映していた。

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