第3章 私、強欲なの!
次の日、夜明けとともに山に登った。
そしてたまたま初めて会った場所にエースがいた。
「エ…エースお兄ちゃん」
「おっ、ルーミーか。今日は随分早いな…」
エースはいつもと感じが違うルーミーに言葉を失くした。
髪は出会った頃のように編み上げられていて服は流行っぽい服だがルーミーによく似合う色合いでナチュラルメイクでいつもより大人っぽかったからだ。
「どうした?そのカッコ…」
「エースお兄ちゃんに話したいことがあるの。私…エースお兄ちゃん…ううん、エースが好き」
エースの目を真っすぐ見てルーミーは言う。
「でも…おれは海賊になるんだぞ…それにおれは…」
「エースが海賊王の息子ってこと?そんなの知らない!私が好きなのは出会ったときから優しくて面倒見がよくて誰よりも兄弟想いのエースだよ!!海賊になる!上等だよ!!そしたら私は海賊の嫁になってやる!!!」
ドンっと身勝手なことを言うルーミーにエースは思わず笑ってしまう。そしてエースはルーミーを抱きしめた。
「ありがとな…いつかおれが立派な海賊になったらお前を迎えに行く。それまでは待っててくれないか?」
「いや!」
「は?」
「私はエースのお荷物になりたくないけどエースの1つの宝になりたい。だから…」
海賊よりも海賊らしいルーミーにエースは欲しいと思った。
「わかったよ。俺の負けだ。そのかわり離してやらねぇよ」
「上等よ」
ルーミーはエースに飛びついて首に腕を回して唇を重ねた。
エースはビックリしたがルーミーの後頭部に手を置いてそれに答えた。
ルフィが2人を見つけて叫ぶまで2人はずっとそのままだった。