第5章 差し伸べられた愛の手
すぐにドアが開いた。
リーゼントでコックの恰好した男と変わった髪に上半身に上着を羽織っただけの男が入ってきた。
「宝らしい宝はなかったぜ。ここも期待できねぇな」
「空で帰るわけにもいかねぇよぃ。とりあえず探すぞ」
そして男達はくまなく部屋を探す。
「マルコ!ここに誰かいたみてぇだ。紐に真新しい血がついてるぞ!」
「でもこの船にいる人物は全部看板にいるんだろ?」
「ああ」
「だったらこの部屋に隠れているんだろぃ?…なぁ」
「は?マルコどういう…?」
マルコはすぐに樽を持ちひっくり返した。
するとルーミーがコロンと音を立てて出てきた。
「うぉー!滅茶苦茶可愛い!!」
リーゼント風の男…サッチはルーミーの可愛さに思わず声が出る。
「貴方達は一体…?」
「白ひげだぁ…お前、名前は?」
「ルーミー…モンキー・D・ルーミー。とりあえずお腹空いた…」
力尽きたのかルーミーはそこで気を失ってしまった。
「ルーミーちゃーん!マルコ、ルーミーちゃんどうしたんだよ!」
サッチは倒れたルーミーの前でオロオロしている。
マルコはルーミーを軽く診察した後、横抱きにして部屋を出た。
「マルコ!?どこ連れていく気だ?」
「こいつはぁ、栄養失調と寝不足だよぃ。医務室のベッド開いてるか確認してくれ」
「了解」
サッチは足早に船に戻った。
マルコもルーミーを刺激しないように白ひげの船へと戻ったのだった。