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愛に焦がれて眠る【ONE PIECE】

第2章 3人のお兄ちゃん


数日後、ガープが帰った後、ルーミーはこっそり山裏に向かった。
そして前に来た屋敷の前に着くと木の後ろに隠れてルフィを探すのだった。
「何してるんだ?」
突然後ろから声をかけられてルーミーは思わず悲鳴をあげた。
それは木の上のカラスが逃げるほど大きな声だったという。
すると屋敷の中から一斉に人が出てくる。
ルーミーは逃げようとするが声をかけた輩に腕を捕まれて身動きがとれなかった。
「なんだい!またすごい悲鳴が聞こえたけど!」
「お頭、また変なガキがうちの屋敷を覗いてまして声を掛けたらこの様ですよ!」
「離して!」
「おいっ!がきんちょ!!ここがどこか分かってんのか?」
「もう帰る!帰るから!!」
ダダンが暴れているルーミーをまじまじと見る。
髪はハーフアップのお団子でパッチリとした瞳、ワンピースはフリルが上品にあしらわれていてまるで生きる人形のようだった。
「…そのまま家に連れて行くよ」
「お頭…!」
「この娘、売れば相当高値で売れる…って痛い!誰だい!頭に石を投げたのは!ってエース?!」
「エースだぁぁ!」
石の上に座って手には鉄パイプと石を持ってダダンとその仲間に投げつけていく。
ダダン達は屋敷に避難していった。
「お兄ちゃん…ありがとう」
ルーミーはエースの元に駆け寄り笑顔でお礼を言う。しかしエースの顔は不機嫌なままだ。
「なんでここにいるんだ?」
「えっと…」
「ここは危険だぞ。今も売り飛ばされそうになっただろ。強くねえならここには来るな!」
エースの言葉にルーミーは目を潤ませる。しかし泣くことはせず下を向いて一呼吸置くと顔を上げて笑った。
「分かった。私、ルフィには会えなかったけどお兄ちゃんには会えてよかった!私、弱いもんね…しょうがないよね」
そう言うとルーミーは走って山を下りていった。涙をこぼしながら。


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