第2章 きっかけ
下校を告げるチャイムが鳴り、リュックを肩に下げる。
耳をすませば、バスケ部やらバドミントン部、サッカー部
などの「ファイトー!」の声が聞こえてくる。
あ、そっか。
部活まだやってるんだよね。
「はーぁ」
ひとりきりの教室でわざとらしく溜息をついてみせる。
芽依のぎ裏切り者ーっ!!
なによ!
ちょっとぐらい待っててくれてもいいじゃん!
なーにが「観たいアニメの再放送が始まるから、
あんたの掃除当番待ってられない」だ!!
ぶーー!と言いながら教室の電気を消していく。
しかもクラスのみんなもゴミ捨て私に任せて
帰りやがってーーー!!
明日、ジュースでもおごってもらわないと。
私は裏門から出ようとして近くの第二体育館をふと見ると、
入口になんとも凸凹コンビと言おうか…
2人の男子が入口の方を向いたまま立っていた。
気になって近づいてみると、私の足音に気づいたのか
1人の長身の男子が振り向く。
「あ」
「ども」
振り向いたのは飛雄だった。