第1章 間違い
「ねえねえ!それ交換しない?」
私はいつの間にか彼に話しかけていた。
ヨーグルを差し出しながらカフェオレを指差す。
「…」
「もしかして買いたいやつ、ほんとにそれだった?!」
その男子は私を見下ろして少し驚いた顔をしていた。
「いや…俺もヨーグル飲みたかったんで」
そう言うとカフェオレを差し出してきた。
「ありがとーー!!私、間違ってヨーグル買っちゃって困っ
てたんだよねー」
ズポッとカフェオレにストローを差し込む。
ふと彼の足元を見ると、青の上履きを履いていた。
私の上履きが赤…ってことは…