第5章 球技大会
《雅紀side》
おかしいな…
普通なら、モテモテの翔ちゃんにははちまきを交換しようと、女子に囲まれてるはずなのに、
女子はさっきから、遠巻きに翔ちゃんを見ているだけ。
とうの翔ちゃんは
さっきから嬉しそうにはちまきを触っている。
あっ、そういうことね。
鈍感と言われている俺でさえ察しがついたから、みんな分かってんだな…
「翔ちゃん!もしかして、誰かと交換した?」
「えっ!分かる?」
「分かるも何も」
「顔に出過ぎだよ!」
「そっかぁ」
幸せそうに触っているはちまきを見ると、
「大ちゃん?!」
「大ちゃんと交換したの?!」
「そうなんだよ。いいだろー」
えー!とうとう、大ちゃんも翔ちゃんに惚れたのか?!
調子に乗ってる翔ちゃんは無視して、
大ちゃんを探す。
「いた!」
にのちゃんとふわふわ笑っている大ちゃんを見つけると、
こちらもはちまきを嬉しそうに撫で撫でしてる…
…似たもの同士だね。
まぁ、本人達が幸せそうだからいっか。
そんなことを考えてたら、集合の合図がかかった。