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平等な死などない【ワンピース】

第10章 意識し始めた頃


能力者が海軍に増えてから数週間後。ゼファーによる能力者専用訓練の実戦により、能力者数名とセンゴクやガープの部下・教官のゼファーを乗せた船はグランドライン前半にやってきていた。悪魔の実の効果で不老不死である事を知らないゼファーは、クマラも何かあった時の為にも来てもらうことを希望する

クマラはそれを断れず、まぁいい経験にと同行することになった。訓練の忙しさや業務の疲れでげんなりしていたサカズキ達は、乗船する際クマラの姿を確認し、一気に体の疲れが吹っ飛ぶような気分に

「クマラさんがおった」
「いい所見せられるチャンスだよねぇ~」
「えっ頑張ろっ」

数週間の間に少し体の筋肉や身体能力が発達した三人は、能力の操作にも慣れ始めて上手く扱えるようになっていた。ただ、感情が高まると能力が漏れ出てしまうのはロギアの三人のご愛嬌である

そうこうしている内にグランドライン前半へ入り、早速海賊船を見つけたと見張りから連絡が入る。それをゼファーの自室で聞いていたクマラは、今回来ている海兵の資料を一旦机に置き立ち上がった。ゼファーを止めるでもなく、自分も前線で海兵達の様子を見守ろうとそれに続く

数分とせずに始まった海戦に、能力者の中でも最も有力候補なサカズキがマグマを纏った日本刀で敵の幹部を叩き斬った。マグマで溶けて、焼ける肌に悶え苦しむ海賊に対し、サカズキはそこらのゴミを見るような目で見下ろした後すぐに心臓に刀を突き刺す

ずっとそのまま苦しませ放置しようと考えていたサカズキだが、自身のこんなドロドロの負の感情をクマラに知られたくなくて、トドメを指した。クマラなら気にしないとはわかりつつ、少なからず海賊に思い入れのあるというクマラに対する配慮だ

「お前さん、確か子供を狙うクズ野郎だったねぇ~……!!」
「!いつの間に……ぐぁっ!」

サカズキとは別の場所で、ボルサリーノが光の剣を握り賞金首の後ろに光の速さで移動した。海賊がそれに気づいた頃には、光の剣は振り下ろされ敵は真っ二つで甲板に倒れ込む

返り血を浴びたボルサリーノは、このままでは大切なサングラスが汚れるとシャツの裏ポケットにそれをしまう。このサングラスは、昇格祝いにクマラがボルサリーノの悪魔の実の能力を見定めて贈った、彼にとっての宝物だから
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