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平等な死などない【ワンピース】

第10章 意識し始めた頃


「報告書が増えるな、ガープ」
「うっ……沈めるんじゃなかった」

敵幾らだったっけ、とうなじに手を回したガープにクマラは淡々と自分が戦闘ついでに数えてきた敵船員の人数を告げる。まって、と制止をかけたガープはクマラを連れて報告書を書きに自室へ戻ろうとした

「あっ、他のもんは船体の整備と掃除辺りを頼む!またなんかあったら報告してくれ!」
「「「はっ!」」」

敬礼したのを見てすぐ様船内に戻って行ったガープを見送り、海兵達はやっとだと安堵しながら整備や掃除、見張りに着く。クザンは手に持った箱をどうしようかと悩んだが、中身は鍵がかかって分からないのでガープ中将に渡しに行こうと仲間に伝え船内へ

「ガープ中将、敵船からある箱を押収したのですが中身が分かりません」
「?持ってきていいぞ」
「失礼します」

いそいそと中に入ると、そこにはクマラは居らず一体どこに?とガープに首を傾げるクザン。下を指さしたガープにより首を傾げるクザンだが、その理由はすぐにわかった

「ガープ、船底で整理してた資料全部目を通してサインしといたぞ。あとお前の判子だけだ」
「すまんなクマラ!あぁ、ついでにその箱の中身調べてやってくれ」
「?あぁ」

突然言われて驚いたクマラだったが、クザンから受け取り中身に何かがある重さであることを確認して耳を近づけ、ユサユサと小さく揺すってみる

中の音と重さの移動具合からして球体に似た形のものである事はわかった。重さ的に爆弾等では無い為、クマラは握力と腕力で箱をこじ開ける

「……悪魔の実だな」
「えぇっ!ホント!?」
「うぇっ」

悪魔の実と聞いて勢いよくクマラに突進したクザンは、咄嗟にクマラの腹に腕を回した事もあって力が篭もるとキツくなる。それを見てガープの気分がいいはずも無く、クザンに近づき肩を掴んで引き剥がした

「悪魔の実には疎くてな。どんなものか俺は知らないが……報告書がまた増えたぞ」
「うげぇ……」
「今回はクザンのものになるだろうし、お前のサインも貰うからな」
「はい!」

手元にある悪魔の実を抱え、これで俺も能力者かと最初の売る考えは消え去っていたクザン。この後報告書のサインをする時自分の名前を少しだけ間違える程有頂天になった
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