• テキストサイズ

平等な死などない【ワンピース】

第10章 意識し始めた頃


「前に一等兵になったばかりだと言うのに軍曹に繰り上げか?サカズキ達もそうだが、お前も中々早い出世だ」
「えへ、へへへ……」

ガープの部下として配属されたクザンは、昇格確定祝いとしてクマラと二人きりで酒盛りをしていた。クザンの昇格認定書を見つつ、クマラは良い肴だと酒を煽る

サカズキ達はと言うと、つい先日ある海賊船を落とし悪魔の実を手に入れたらしく、報酬としてその悪魔の実を食べたことによって能力者として活躍している。活動の幅はある意味狭まりも広まりもした二人はお互いロギア系の悪魔の実を食べたそうだとクマラは口にした

「悪魔の実ってクソまずいんですよね。報酬に貰ったとは言えなんで食ったんだろ、売ったら一億以上の値が着くのに」
「彼奴らは海賊が嫌いだからな、少しでも強くなるためなら悪魔の実の不味さなんてなんともないんだろう」

不味かったと愚痴は来たがな、と笑うクマラにクザンは軽く返事をして酒を飲む。悪魔の実に関心を抱いていないクザンだったが、それも今だけであった

────────────

「えっ、俺もですか?」
「当たり前!お前もこい!」

軍曹に昇格した後、クザンは上司であるガープに乗船を命じられた。どうして船を動かすのか知らず渋々乗船したクザンは、クマラの姿を見てパァッと顔を明るくさせる

「クマラ補佐官も居るんですね!」
「あぁ、ガープの補佐だからな。と言うかよく選抜されたな、がんばれよ」
「?」

なんの事だと首を傾げるクザンに対し、クマラはうげっという顔をして「おいガープ!新世界入りと言わなかったのか!」と怒りに行った。それを聞いたクザンは新世界と聞いてズキリと頭が痛くなる

思い出すのは、あの新世界での突然の砲弾の嵐。揺れる船体の上で海賊たちの相手をするのは新兵として良い経験ではあったが、辛い経験でもあった

「おいおいまじかよ……」

そういう大事な話はしてくれよと頭を抱えつつ、クマラにみっちりと怒られているガープを見てクザンは肩を落とした。あそこまでクマラに怒られていては、クザンももう何も言うことはない
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp