• テキストサイズ

平等な死などない【ワンピース】

第10章 意識し始めた頃


「クマラさんって中将の部屋で寝泊まりしてますよねぇ~?そっちに風呂着いてるんでしょう?」
「あぁ……ガープの奴のセクハラが酷いから人目の着くところに居ないと安心して風呂に入れないんだよ」

予想外の返答にボルサリーノはへっ?と変な声が出た。クマラはさも当然のようにそのまま髪をシャンプーで洗い始め、困ったもんだよなと口にする

「ガープ中将セクハラするんだ……」
「いつもはそんなやつじゃないんだが、親しい仲ってのもあってのイタズラみたいなもんだ」

慣れたが毎日そうでは困ると、クマラは風呂に入る場所を態々入浴場に変えて仕事終わりや少しの空いた時間にここへとやってくる。人目がある所では大それた接触はしてこないので、それを狙っての事だ

あのガープ中将が……と少しばかり信じられず唖然とするクザンだが、一年海軍で働いているサカズキとボルサリーノは風呂場でのセクハラは知らずとも、日々クマラに抱き着いては擦り寄っている姿を見てきたのでやりかねないなと平然とする

「まぁ、普通はそんなやつじゃないからお前の想像するガープであってると思うぞ。セクハラと言っても、腹を撫で回す位だしな」

いつの間にか髪を洗い終わったらしいクマラは、髪をタオルで包むと身体を洗い湯船へと歩き始めた。ボルサリーノ・サカズキと席を立つ中、クザンはジッと目の前の鏡を睨むように見つめる

「……よし」

何か意を決した様なクザンは、ペチンと自分の両頬を叩くと泡を洗い流しクマラ達のいる湯船へ歩いていく。巨人族も使う入浴場の為か、湯船には深い穴のような物が存在し、そこにはなるべく近づかないよう腰を下ろした

「そう言えばクマラさんはカナヅチじゃったか」
「落っこちたら二度と浮き上がらんな」
「おぉ~……そんな怖いことサラッと言わないでくださいよォ~」

わっしら泳げるからいいですけど、と話すボルサリーノに能力者じゃなくても溺れる人は溺れるんだとクマラを見るクザン。その視線に気付いたクマラがクザンの目を見返すが、なるべく顔を隠せと言われている為現在風呂用のキャップを被っている為その視線にクザンは気付かなかった
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp