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平等な死などない【ワンピース】

第10章 意識し始めた頃


ある日の入浴場。日々の疲れを癒しに来たクザン三等兵は、よっこいせと座り込みシャワーからお湯を出す

共に入浴場に来ていた一等兵に昇級しているサカズキやボルサリーノは、今回あった訓練でのことを思い出しクザンにお疲れ様と声をかける

クマラが教官から外れてゼファーが担当することになったのだが、偶然訓練場を通り掛かったクマラを見てクザンは手を振ってしまいそれがゼファーに見つかって殴り飛ばされたのだ

「まだ痛むんですけど」
「腹に相当重いのかまされてたからねぇ~」
「手を振りたくなる気持ちもわかるが馴れ馴れしくしちょるとガープ中将とセンゴク大将に目ェつけられるぞ」
「怖……」

気をつけよ、と青い痣ができている腹を撫でつつクザンは石鹸で泡立て、充分泡立ったのを確認して体を洗い始める。やいのやいのと話しながら身体を洗っていた三人だが、サカズキが何かに気づき入口へと顔を向けた為二人もそれに釣られそちらを見る

「……はっ?」

そこには、入浴準備をして脱衣所から入ってきたクマラの姿があった。その付近にはガープやセンゴクも居らず、本当に一人で入浴場に来たことが伺える

困惑する姿を見せる三人を他所に、それらをみつけ「相当遅い時間になってしまったみたいだな」と語りかけ一番近かったサカズキの横のシャワーの前に腰を下ろすクマラ。好きな人が裸体で横にいる事実を突然突きつけられ、サカズキは我慢出来ないと何ともないクザンに代わってもらった

「クマラ教官、なんでここに……?」
「今は補佐官な。ここに来た理由は普通にいつも使ってるからだ」

いつもの入浴時間とズレてしまったが、と口にするクマラは髪を先に洗う為かシャワーに手をかける。三人は道理でいつもここで出くわさない訳だと納得した

ここでは将校未満と将校以上の入浴時間は定められており、基本訓練や仕事の関係で夜遅くになる将校未満の海兵は夜10時から夜12時までが基本の入浴時間、将校以上は8時から10時少し前までが入浴時間となっている

中将以上となると仕事の量が増え、定められた入浴時間に赴くことが出来ない為自室の横に専用の風呂場がある事は基本。それを知っているボルサリーノは少し疑問を投げかけた
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