第13章 出会いと別れのログ
後にレイリーからクマラが部屋を空けるため、自分の船で寝泊まりすることを聞いたミンク族二人は意気揚々とクマラの船で寝泊まりすることが決定した。ロジャーが最初ごねたが、お前は最近体調が悪いからなぁとクマラから断られ今頃ベッドの上で拗ねている
「にしてもお前らデカイな。一応このベッド一回りデカいんだが」
「3mあるからな」
「あるきねぇ」
3m級のもこもこに挟まれ、クマラは幸せそうに二人の胸元にあるふわもこの獣毛に顔や手を埋めた。動物が好きであるとロジャーやレイリー、シャンクスたちから散々聞かされた二人も、忌み嫌うでなく好んでくれる喜びに尻尾も耳も動く
匂いも好ましいのか、何度かクマラに擦り寄せる姿を見せて二人は眠りへと落ちていく。そんな中クマラはもう既に眠りに落ちており、もこもこに挟まれて口元を弛めながら就寝していた
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「おぉ、毛まみれ」
「す、すまない」
「つい擦り寄り過ぎてしもうた」
クマラのズボンや髪、身体の至る所に二人の獣毛がこれでもかと引っ付いた状態で目覚めたクマラ。ガムテープでズボンの獣毛は取り、身体の獣毛はどうにもならないと風呂に入る準備を始めた
無論二人もついて行く気満々で、いつの間にか入浴の準備を済ませておりクマラはそれを目にして片眉をあげる。だが目前に風呂場があるため拒むことも出来ず、浴室は広くないからの二人ずつで入ることを提案した
「おぉ~……」
ボディソープでは可哀想だと、クマラが自分のシャンプーを使い最初のイヌアラシに洗い方を教えてやる。自分の獣毛で泡立つのが奇妙で楽しいのか、イヌアラシは少しの量でモコモコと泡立ててしっかり隅々まで洗い流した
クマラもその間身体を洗うが、不意にイヌアラシは自身の獣毛から香る匂いとクマラの髪から香る匂いに気がついた。意味は理解していないが、同じ匂いという事でたいそう気に入ったイヌアラシは後日同じシャンプーを島で買うことになる