第13章 出会いと別れのログ
クマラが新しく来た侍達、おでんとトキ夫婦とその子どもに当たる二人に顔合わせをしていた。子供好きなクマラはまだまともに会話のできない幼児ふたりに、とても優しい笑みを浮かべて遠くにいるロジャーを失神させかける
そんな中、ふとクマラのマントに何かがコツンと当たった。それも二つ。なんだと下を見ると、そこには見覚えのない獣毛が2つあった事にクマラが目を見開く
「うぉぉっ!イヌアラシにネコマムシ!?何故ここに!?」
「わしらぁ、おでん様見よるがが一番楽しいぜよ!」
何故か照れたように笑う二人に対しおでんは驚きつつ、失神しかけたロジャーが復活し「いいじゃねぇか仲間が増えて」と笑った。それを他所にクマラがミンク族二人を見つめていることにおでんは気付く
「なんだ、二人に興味あるのか?」
そんな言葉に二人はワノ国の事でを思い出し、コクリと頷いたクマラが近づいてくるのをみて後ずさる。なんで逃げるんだと言いたげな顔で、今度は二人が逃げられない剃で間合いを詰めて手を伸ばし────────
「わふぅんっ」
「にゃっ」
「おおっ……もこもこ……!」
ミンク族を初めてみたクマラは、人語を喋る人型動物に興味を示し二人の顎や頭に手を重ねた。動物好きのクマラの撫でる手つきは蕩けるように心地よく、警戒していたはずの二人はそれに微睡み尻尾を振ったり喉を鳴らしたりし始める
「……レイリー、今度獣毛生える悪魔の実見つけたら俺にくれ」
「はいはいゾオン系」
撫で回される二人に嫉妬したロジャーがレイリーに世迷言を吐いた。レイリーはそれを軽く受け流し、微睡んで幸せそうに舌をしまい忘れる二人に近寄る
「ほらクマラ、そろそろやめてやれ」
「ぐ……もこもこ……」
レイリーにマントの襟部分を掴まれ、二人から引き剥がされたクマラは名残惜しいのか手をワキワキとさせるも、二人にも尊厳があるよなと渋々諦めて自分の船の整備に向かった。いつの間にか終わっていたなでなでに二人はしょぼんと耳を畳んだり尾をだらんと下に下げたり
「なんだ、あの男が気に入ったか!」
「撫でられるとまるで日向に当たっちゅーような気分になれて……」
「同じく……」
おでんは二人の様子を見てそれならいいじゃないかと大きな声で笑うのであった