第13章 出会いと別れのログ
白ひげ海賊団との交友から数日後。ロジャー海賊団は準備が整い出航間近に迫っていた。人が増え部屋の空きを作るため、クマラが自身の船で寝泊まることが決まったまではいいが、出航するぞと言う時に白ひげ海賊団の船長がクマラのマントを掴み離さない
「離せ白ひげ、置いてかれるだろ」
「そんなことがあったら俺の船に乗りゃァいい」
相当気に入ったのか、フラれても尚白ひげはしつこくクマラをあの手この手で勧誘していた。ロジャーが煩いのでその裏でやるあたり本気で口説きに掛かっているのが伺える
クマラ自身どちらの船でも支障は無いと思っているが、子どもの人数的にはロジャー海賊団の方が多く、面倒を見なければ行けないような子が二人いるのが気になっていた。船の上ということもあり、少し不安なことがあって多くある
マントの引っ張り合いをしていると、ロジャーが船の上から「クマラに触んなー!」と白ひげに覇気だだ漏れで威嚇を始めた。船員達にはいかないようコントロールしている様だが、白ひげ海賊団の面々はバタバタと倒れていくのが白ひげの視界に映る
これ以上はダメだ、そう理解した白ひげは渋々クマラのマントを離す。やっとこさ解放されたクマラはそそくさと自分の船に移っていった
「あぁ、白ひげ!」
「?」
おでん達も抜け、クマラも来ないとなって落ち込む白ひげにクマラが錨を上げながら声をかけた。なんだと顔を上げると、クマラは白ひげの目を見て口を開く
「また機会があったらなー!」
「あるかー!絶対渡さねぇぞー!!」
クマラの言葉にロジャーが大きく反応し断固拒否。おいおいとレイリーに押さえ付けられ船の中へ引きずり込まれていった
それを見届けた白ひげは、次の機会があるならばと背を向けた。錨を上げ終えたクマラもロジャー海賊団の船に縄を繋げて出向の準備を整える
「……あっ、あいつらの名前聞いてない」
腰飾りを上げた少年と、もう一人自分に懐いていた少年のことを思い出しクマラはハッとした。名前を聞き忘れていたことを少し後悔しつつ、まぁいいかと月歩でロジャーの元へ飛んでいく