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平等な死などない【ワンピース】

第12章 “鬼”の跡目の迷いと決意(映画のキャラが登場。飛ばし支障無)


何とか痛み分けで幕を閉じた戦闘は、負傷者は出たものの死者は出なかった。派手な戦闘だったと笑うロジャーを他所に、クマラは負傷者の手当へと回っている

「バレット、守ってくれてありがとう」
「……お前が死ぬと煩いからな」

クマラを守り負傷したバレットに対してクマラが感謝の言葉を送ると、バレットは照れくさそうに顔を逸らして何も言わずに腕を伸ばした。青い線と赤い髑髏の刺青の入った、赤い血を流す左腕を

配布された応急処置セットで手当をする中、バレットはその様子をただただ見つめた。そして不意に思ったことを口にする

「お前、あの回復に限度はあるのか」
「限度?」

包帯を巻き終え、テープを貼ったクマラはオウム返しをした後少し考える素振りを見せる。その後すぐ「試したことないな」と口にした。それをどう捉えたかは分からないが、バレットは「そうか」とだけ告げて手当を受けた腕を下ろす

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それから数日が経ち、今現在バレットは息を切らし傷だらけで甲板に背を預けていた。その様子を眺めていた船員達は、手当に行くべきは今か今かと落ち着かない様子で見守っている

今日、バレットはロジャー海賊団の船を降り独立する予定だ。そんな中でバレットが最後の願いにとロジャーに頼んだのは、加入する前に挑んだ戦い。ロジャーもそれを了承し、バレットとの戦闘に笑みを浮かべた

「クマラ!手当してやってくれ!こんな傷だらけで船旅はキツい」

笑顔でクマラを呼ぶロジャーの声にすぐ反応したクマラは、せっせと応急処置セットを持ち込みバレットの横に座り込む。それを横目にバレットは「またお前か」と軽く笑った

「俺で悪かったな、バレット」
「本当だ。ロジャー船長はよくわかってる」
「?」

手当をする中口にした言葉に理解が出来なかったクマラは首を傾げたが、お前に言っても分からないはずだと言われ、そうかと大人しく引き下がった。バレットはそれに目を細め、目を閉じる

─────────

(お前には分かるまい。俺のこの不安と、迷いを)

(お前には知られまい。迷った末決意したこの覚悟を)

(お前には理解出来ない。お前の真実を知った俺の、この覚悟と決意を)
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