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平等な死などない【ワンピース】

第11章 この気持ちを愛する貴方へ(※)


ボルサリーノの少しばかり歪んだ愛情を意図せず受け取ったクマラは、その後すぐにかかってきた電伝虫を取りその主の元へ剃を使い向かっている。海の地平線が見える丘で、その人物は青い薔薇の花束を持って待っていた

「クマラさん!」

クマラが来たことに気付くと、花束の主クザンは嬉しそうに、尚且つ恥ずかしそうに頬をかいた。クマラはもう流れでわかっているため、花束は全て手持ちの大きな鞄に入れて肩に提げている

感謝の言葉と、クマラに対する愛情を告げたクザンは付き合ってくれと言わずにたた「受け取ってください」と花束を差し出す。お前に気持ちを返してやれないぞとクマラは言うが、そんなこと知ってますよと笑ってクザンはクマラの腕に花束を押し付けた

「もうフラれるのは分かってるんで、敢えてここは気持ちだけ受け取ってもらいます。……分かってても、やっぱ言葉にされると折れちゃいそうなんで」

まだヘナヘナ精神ですし、と頭の後ろに手を回すクザンに人それぞれかとクマラは花束を抱きしめた。甘い薔薇の香りがクマラの鼻をくすぐる中、クザンはなにか思い出したのかゴソゴソと何かを取り出す

「これ、クマラさんが俺の机に置いてたりしました?」
「……メモ無しのプレゼントの主を探し当てるな馬鹿」
「いてっ!」

クザンの机の上には、最近眠りにつきずらいと相談したクマラによる安眠用アイマスクがプレゼント箱に包まれた状態で置かれていた。それを昨日受け取ったクザンは、そんな相談をクマラにしかしていなかったのでクマラなりの配慮だと勘づいた訳である

クマラ的にはそのままそっとして置いて当たり前のように使い始めて欲しかったのだが、嬉しい気持ちが勝ったクザンは余裕で本人に話した。クマラの照れ隠しでクザンは覇気デコピンを食らったが

「……いつ行くんです?」
「秘匿だ」
「……そうですか」

送りたかった気持ちがあったクザンだが、周りに内緒にしているのに自分だけなどあるわけないかとため息を吐くクザン。クマラはそれを見てくつくつ笑いながらクザンの頭を撫でるのであった
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